オーストラリアでは週単位で妊娠の経過を表す。大きいお腹で買い物などをしていると、よく「今、何週目?」と聞かれたが、私はどうしても月単位でないとピンとこなくて、「今妊娠8ヶ月の半分だから、4かけて2週足すと…34週だな」などとややこしいことを考えながら答えたものだ。
更にやっかい(?)なことに、この国では最初の月を“妊娠1ヶ月”(日本では1ヶ月経ったら1ヶ月だ)と呼ぶので、最初9ヶ月目に子供が産まれると聞いたとき、さすがオージーはタフだな(何がタフなんだ?)と思っていた。だって日本では“とつきとおか”って言うでしょ。
子供を産むという、生理的な経過はまったく同じにしても、そういうちょっとした違いがややこしかったりする。
「俺の子、産まれた時○○パウンドもあったんだよ」と言われても「それって大きいんだ?」って感じだし。逆に破水がWater breakだったりとか、日本語って直訳だったんだと分かる単語がいくつかあるのは面白い。
▲こちらでは、赤ちゃんをぐるぐる巻きにするのでビックリ。胎内は狭いので、新生児はこの方が落ち着くのよと説明を受けましたが、やっぱり多少の違和感が?
妊娠の後期に入り、ドクターの勧めもあって出産予定の病院主催の両親学級なるものに参加してみた。まんまるお腹の妊婦とそのパートナーが集う模様は、結構笑えた。
助産婦さん(英語でMidwifeと言う)や専門家が1週間に1回テーマごとに講義してくれる。お産がどんなに大変なものか・・・全然おどかしたりするような内容ではなかったが、ある日見せてくれたビデオが全てを語った。出産の模様を真っ正面から撮ったものだ。これから産む自分自身でさえ「うあー」という感じ。自分の子のお産なら感動も伴うが、人のお産のビデオはショッキングなものである。男性群のショック計らずとも知れる。
また1番皆が熱心だった授業内容は無痛分娩。この国では出産時に麻酔を使うのはほぼ常識で、この授業では麻酔の種類についてを教えてくれたのだった。実際に針を見せてくれたりもした。
▲この世に生を受けて初めてのお風呂。出産時は、この助産婦さんが女神に見えました(笑)
検診時に「私は自然分娩がしたいんですけど」と言ったらドクターに「えらいねー」と誉められたのを思い出す。えらいんだ?「まあ痛みに耐えられなくなったら、その時打ってもいいからね」とさえ言ってくれた。オージーはわざわざ痛い思いをして、苦労して産むことはないでしょう、という考えなのだ。
私は人間がこの世に出てくる時のパワーはどんなものだろう、それを感じてみたい、と常々思っていたので自然に産んでみたかった。10ヶ月間、一心同体(まさに!)で暮らしてきた締めくくり。新しい命の旅立ちを一緒に体験してみたかったのだ。
実際は予定外の帝王切開になってしまったので、きれいごとに聞こえるかもしれないけど。
自然分娩が当たり前の日本のプレママはスゴイ!最初から無痛分娩・自然分娩の選択があるオーストラリア。あなたならどちらにしますか?
P.S. やっと最近こちらの紙おむつ“ハギーズ”のテープ部分が改善されて角がなくなり、何度でもくっつくようになりました。
(リビング・イン・ケアンズ誌1999年5月号に掲載)
「クリスマスに向けて、
ギフトに良さそうな新商品を買い付けています。
仕事とは言え、買い物は楽しいですね(笑)
娘は、シドニーへお友達と行ってきて、
コンサート&ショッピング三昧と
すっかりティーンエイジャーっぽくなってきました。
息子は相変わらずスポーツに明け暮れています。」
〈2013年10月〉