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レポート| m.u.

【レポート】倉敷にある大原美術館の体験型ワークショップ「みんなで描こう!モネの睡蓮」

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岡山県倉敷にある大原美術館は、日本最初の西洋美術中心の私立美術館です。大原美術館では毎年8月、美術館全体を会場として色々なワークショップを体験できるアートな夏祭り「チルドレンズ・アート・ミュージアム」が開催されています。

今年は8月22日と23日に行われ、6才と3才の子どもと初めて参加して来ました。この2日間、美術館の外壁はこども達がお絵かきしたアイビーの葉型の色紙が飾られて賑やかです。

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左奥の建物が大原美術館です。倉敷の美観地区という江戸情緒あふれる場所に位置しています。白壁の屋敷や倉敷川沿いの柳並木は昔にタイムスリップした様な雰囲気で、イベント参加前から非日常気分を楽しめました。

騒がしいこどもを連れていくことを躊躇する“美術館”という場所で、こどもが主役の参加型イベントが催されることは嬉しい事です。大原美術館のこの催しはワークショップの数の多さ(2015年は15種類)と共に、五感を刺激する質の高さが際立つイベントでした。館内は撮影禁止でしたので、屋外で行われたワークショップ「みんなで描こう!モネの睡蓮」を紹介させて頂きます。

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▲「睡蓮」クロード・モネ(1840-1926)大原美術館HPより

大原美術館で1番2番人気を誇る展示作品がモネの「睡蓮」です。大原美術館の中庭に浮かぶ睡蓮は、モネの家の睡蓮を株分けしてもらったものだそうです。モネが描いた睡蓮の分身を描くというワークショップに私は興奮してしまいました。

40に区切られた画角がくじ引きで1人1つ割り当てられます。40人が描く絵で1つの作品を作るという趣旨のワークショップです。

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まずその画角から睡蓮を観察して頭に焼き付けてから、思い思いにクレヨンで描きます。このイベントの素晴らしい所は、参加するこどもに対してスタッフが手厚くサポートしてくれる所。このワークショップは大阪成蹊大学の芸術学部が協力しており、アートに造詣が深い方が子どもに絵の描き方をアドバイスしてくれました。

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睡蓮の葉を描いた娘は、違う色で縁取りをする技法を教わりました。縁取りした色でそのまま背景の水を描いていく娘に「それでいいよ~」とスタッフさん。こどもの自由な発想を尊重することが大切です。

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水色に塗った部分を「ティッシュで伸ばしたら色が広がるよ」「白いクレヨンで上から塗ったら、本物の水みたいになるよ」というアドバイスを素直に試し、娘は楽しそうに描いていました。

今回驚いたのは、絵心が無い、お絵かきに興味がない、と思っていた3才の息子が必死にお絵かきする姿です。決められた画角から睡蓮を観察して「花がふたつあった」と描き始め、ちゃんと花を2つ描きました。息子の横に座ってサポートしてくれる男性(恐らく芸術学部の学生さん)が「花がちゃんと2つ描けたな!」と声をかけてくれ、「じゃあ次は花を潰さないように周りにお水の色を塗ってみるか?」などアドバイスをしてくれます。

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それを聞いて、花の周りを「水のいろ~みずいろ、葉っぱはみどり~、ちゃいろは木~」などつぶやきながらモクモクと塗る息子。ちゃんとお兄さんのアドバイス通り、花を潰さないように注意して根気よく塗っているのです。息子がお絵かきに対して初めて発揮した集中力に感動しました。

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白いクレヨンを上から塗るといいよというお兄さんのアドバイスを、「色がおかしくなる!白いらない!」と頑として受け入れない息子。白を塗られた場所が気に入らない息子に、「じゃあもう一回同じ色を重ねて塗ろう」とお兄さんが提案してくれました。

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息子の様子を見ていた芸術学部の先生が「この子はちゃんと意志を持って色を塗っているからいいですねぇ~」と感心したように声をかけてくださいました。今までお絵かきに全く興味が無かった事を話すと、「作品の出来栄えより、描くときの意思が大切なんですよ。この子は良いもの持ってます」と言ってくださいました(涙)。親がこどもの才能を勝手に決めつけるのは良くないなぁと再認識しました。

絵が完成したら、割り当てられた場所に絵を貼ります。40枚の睡蓮の絵は1つの作品として後日、印刷用カレンダーとパソコン用壁紙カレンダーになってウェブサイトで公開される予定です。このワークショップの趣旨を理解していない息子が、自分の絵を持って帰ると言ってききません。宝物のように自分の絵を持って離さないのです。責任者である先生が「この絵が息子さんのお絵かきの才能を引き出すきっかけになったかもしれませんね。是非持って帰って頂きたいです!」と嬉しそうに言ってくださいました。

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帰宅し、息子の作品を額に入れて飾りました。「おはな、きれいにかけたね」と話しかけると、嬉しそうに絵の説明をしていました。こどもが描いた絵は「飾って鑑賞」することが大切だと聞きました。飾ることで、その絵を描いた瞬間が生き続ける気がしています。

こどもは予想通り美術館に飾ってある名作には殆ど興味は示さず、走り回っておりました(笑)。しかし名作がたくさん存在する場所にはアートな感覚を刺激される独特の雰囲気があります。人気ワークショップは待ち時間がありますが、睡蓮を描いた後の息子はその待ち時間も惜しむように地面にお絵かきしていました。アートに造形が深いスタッフの細やかなサポートが受けられる、素晴らしいイベントでした。今から来年が楽しみです。

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[Link] 大原美術館 / チルドレンズ・アート・ミュージアム / みんなで描こう!モネの睡蓮 2014

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m.u.

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キュレーター
子育て奮闘中のwebクリエイター/翻訳家

「東京でファッション業界の広報を約10年経験。理想の子育てを追い求め2014年、故郷の広島へ移住しました。二人目の子どものアトピーを自然治癒めざしてがんばっています。自然が大好き。自然の恩恵を受けながら、子と共に成長中です。色んな意味で”自然”に勝るものはないと思います。安心、安全なモノを見極め、日々丁寧に楽しく暮らすことがモットーです」執筆記事はこちら
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