箸は食べ物です。
この言葉でドキ!っとした方いらっしゃいませんか?日々食べるモノには気を使っているけれど、箸には無頓着な方が多いのではないでしょうか。
言うまでもありませんが、箸は直接口に入れるものです。小さな子どもはガリガリ噛むこともあります。毎日口に触れる箸からは、微量だけれども素材や塗料が体に取り込まれます。箸は日本人にとっては、食べ物だと言っても過言ではないかもしれません。
市販されている殆どのお箸には、化学塗料が使われています。化学物質に1滴でも漆を入れると漆塗りと表示できるので、「漆塗り」と表記されている商品であっても、漆が100%使用されているモノは少ないのです。また、割り箸の多くは中国産で、防腐剤や防カビ剤が使われていると言われています。
箸メーカーである兵左衛門に、ある母親から質問が届きました。「子どもが箸を色鉛筆のようにして絵を描いているけど、こんな風に色落ちするお箸を口に入れても大丈夫ですか?」箸メーカーにとって衝撃的な質問でした。それ以来、兵左衛門は商品の安全面を見直し、「安心できる食べ物であるお箸」を作り始めたそうです。
桑や桜など天然素材のみを使い、身体にやさしいのが兵左衛門の箸です。兵左衛門で使う漆は、ヴァージン漆という天然樹液に近い成分のみを使用されています。また、兵左衛門独自の技法として人気の蜜蝋仕上げに使用される蜜蝋は、殺虫剤や抗生物質を使わず育てられたミツバチの巣からとれるものを使っています。箸は毎日使い消耗するものだから、口に入っても安全である品質を重視されています。
天然漆を使ったお箸は、塗りなおすと新品の様に蘇ることも魅力です。有料ですが、兵左衛門では郵送で塗り直しをしてくれるサービスがあります。子どもに「限りある資源を大切にする心」も教えることのできる箸なのです。