はじめまして、アトリエレナです。 AtelierRena #01

はじめまして、アトリエレナです。 AtelierRena #01

現在3児の母として子育てに奮闘中の Rena さんは、大学で建築を学び、鉄道施設の設計などに携わってきた一級建築士でもあります。
そんな Rena さんの人生に、ある日「まさか」の出来事が起こります。仕事から離れ、しばらくはご家族のケアに専念する日々が続きました。
それでも彼女の中のクリエイティブなものづくりへの思いは消えず、「人生のギアチェンジ」を決意。インクルーシブデザインをテーマにした “AtelierRena(アトリエレナ)” を始動させました。


こんにちは!2025年8月8日に AtelierRena(アトリエレナ)という屋号で個人事業主として開業しました店主のRenaです。3人の子どもの母でもあります。

さて、AtelierRena が何屋かといいますと、インクルーシブデザインを手法として「遊びから建築まで」デザインする設計屋です。(レイモンド・ローウィーの「口紅から機関車まで」のフレーズに憧れて…)

「モノ」だけではなく「コト」もデザインします。お仕事の内容は次回詳しくお伝えする予定です。
今回の記事ではAtelierRena を立ち上げるまでの経緯をや想いをご紹介したいと思います。

まず、屋号の由来は、自分の名前”Rena “を入れています。両親が音の響きを気に入って名付けてくれたそうです。

音で決まった名前、つまり意味がない。
ないならば、つくろう。

ということで、ラテン語の「Renatus(再生)」由来の Rena さん(ヨーロッパ勢)が最有力候補となり、AtelierRena には「再生工房」という意味を込めました。「再生」…ありふれた言葉ですが、私にとって重要なテーマであり切実な願いです。

それには次のような理由があります。


2022年の春、私は「絶望的」な状況にいました。
元気だった第二子の長男(当時2歳)が突然、劇症型心筋炎に罹患して心肺停止し、蘇生後に低酸素脳症になってしまったのです。笑顔がとても可愛かった息子は、一夜にして反応のない人形のようになってしまいました。

当時の記録には「瞳孔散大」と書かれていて、昏睡状態のまま目が覚めずに遷延性意識障害になるかもしれないと思っていました。 その後少しずつ意識が回復し、リハビリを受けられるようになりました。

PICUに入院していた頃には様々な管に繋がっていましたが、現在は投薬のみで、経管栄養や呼吸器などの医療的ケアはなくなりました。

しかし、3年経った今でも寝返りすら1人では出来ない、寝たきりで全介助が必要な重症心身障害児になってしまったのです。私は息子専属の看護師のようにケアをする日々となり、仕事に復帰出来ず、大好きだった建築設計の職から離れました。

しかし、私は元来あきらめの悪い人間です。息子も私自身の人生も立て直して再生すると誓い、「転んでも絶対に立ち上がるぞ」と心の奥底で小さな炎を消さないように灯し続けていました。

3年前はカオスだった家庭も徐々に落ちつきを取り戻し、2年前から退院した息子との在宅生活が始まりました。現在では有難いことに、息子も日々体調の波はあれど元気に過ごせていて、表情も豊かになってきています。

毎日、児童発達支援センターで療育やリハビリを受けながら、来年の小学校(特別支援学校)への就学準備を進められるほどになりました。昨年には新しい仲間(第三子)が産まれて5人家族となり、ある種、別のカオス空間に突入しています。(洗濯物の山が片付かない…!!)

それはさておき、第三子も一歳過ぎて生活に慣れてきたのと、来年には息子の特別支援学校の就学も控えているので、そろそろ自分自身の人生のギアチェンジをしようと思いました。人生の「まさか」の坂を経験してきた今の私だからこそ出来る仕事があるはずだ、と考え始めました。

息子が重症心身障害児になってからの三年間、新しい出会いがたくさんありました。悲しみや怒り、悔しさといった負の側面だけではなく、優しくあたたかい心に触れる幸せな瞬間がたくさんありました。

毎日を支えてくださる医療福祉の支援者さんの他にも、親族や友人、地域の人々のおかげで今の私たち家族が、再び穏やかな日常を過ごせる事の有り難さを痛感しています。

息子が病気をして重心児になった事は本当に辛く悲しい出来事でしたが、私はそこに明るい側面を見出していく事にしました。出来事自体は変えられなくとも、人生にとっての意味はいかようにも編集出来ます。「ナラティブ・チェンジ」。「再生」するための手段のひとつです。

私は、全ての出来事を受け止めて人生を愛せる人になりたいと思いました。ジブリ映画の「魔女の宅急便」のおソノさんが理想の人物像です。おソノさんが、魔女修行中に自信を失ったキキの立ち直りを優しくサポートし、ひとり立ちする環境を整えるように、「再生」を望む誰かの力になって、「立ち直る」ための環境をつくりたい。そんな想いで事業を立ち上げる事にしました。

ロゴマークは、AtelierRena の頭文字AとRを組み合わせて心電図をイメージしました。「再生」した心臓の初めの鼓動や、新しい出会いや発見にドキッとした瞬間を表現しています。デザイナーさんにラフスケッチをお渡ししたら、とても素敵に仕上げて下さいました。ありがとうございます!

最後に筆者とその家族のパーソナリティがよく出ている、第三子産前産後に魔女宅仮装した家族写真を掲載します。真面目に不真面目な愉快な家族を目指しています。

次の記事は、AtelierRena のお仕事の内容ついて。それでは、また!

AtelierRena(アトリエレナ)プロフィール
3児の母/一級建築士/福祉住環境コーディネーター2級/宅地建物取引士
1986年神奈川県生まれ。
2011年 東京理科大学大学院理工学研究科建築学専攻修了(小嶋一浩研究室)
2011年〜 ジェイアール東海コンサルタンツ(株)にて鉄道施設の建築設計に従事。
2022年に子供が突然の心臓病により心停止、蘇生後に低酸素脳症となり重症心身障害児となった。
以降、退職してケアと子育てに専念。子供の療育に携わりながら人生の立ち直りを模索する中、「探究×工作」が生きる力を鍛える方法になると実感。
2025年〜 行政主導の不登校支援教室や各種イベントにて探究工作の講師を務める

AtelierRena(アトリエレナ)Instagram @atelier_rena_88/

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