「世界でいちばん貧しい大統領のスピーチ」という絵本が話題になっています。貧しい大統領っているの?と興味を惹かれたので読んでみました。
2012年、ブラジルのリオデジャネイロで開催された国際会議で、ウルグアイのムヒカ大統領が行ったスピーチは拍手喝采を受けました。そのスペイン語のスピーチを、こども向けの表現に意訳されたものがこの絵本です。
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こちらがムヒカ大統領です。柔らかい表情をしている素朴で優しそうなおじいちゃんが大統領なのです。彼は国際会議のスピーチで「貧乏とはどういうこと?人のシアワセな生き方とは?」と、みんなが忘れがちな事を訴えました。
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彼が世界一貧しい大統領と言われる理由は、彼の生き方にあります。公邸には住まず、奥さんと2人で郊外の農場で暮らしています。給料の8割以上を貧しい人に寄付し、自身は月10万円ほどで生活します。古い愛車を自分で運転し仕事に向かうムヒカ大統領は、ウルグアイの人々に心から愛されていた様です。
▲ムヒカ大統領の愛車 [Image via pinterest.com]
絵本はこども向けの表現になっていますが、就学前のこどもには難しい内容です。この絵本を自分で読んで理解できるのは、小学校中学年くらいからだと思います。でも、こどもに伝えたい内容なので、ウチの年長の長女に読んでみました。
まずは、タイトルにある「大統領」って何?から説明しなければなりませんでした。やっぱり6才には早かったなぁと思いながら、説明を加えつつ読み進めました。
長女に絵本を読むと「あーだこーだ」と活発に発言をしてくるので「ちょっと静かにお話しを聞いて」と注意してしまうことが多いです。しかしこの本を読んでいる時の長女は、口を一文字にかたく結んで、じーっと一言も発せずに絵本に見入っています。頭の中を何かがぐるぐると駆け巡っている、そんな様子でした。
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恐らくちゃんと理解はしてないと思います。でも「いのちが一番だいじなんだよね~」など、断片的ですがムヒカ大統領のメッセージを彼女なりに受け取っていました。
驚いたことに翌日、「今日はどの絵本を読んであげようかな~」と言うと、「昨日読んでくれたあの絵本にして!」と再度この本をリクエストされました。難しい単語を親が易しい言葉で説明をしてあげれば、年長さんにも早すぎない本でした。こども達がシアワセな人生を送る為のヒントになってくれそうなので、おすすめです。