先日発表された第9回キッズデザイン賞を『つながるカードABC』が受賞しました!ちょっと手前みそな感じですが、うれしいのでご報告させてください。
キッズデザイン賞というのは、非営利活動法人である「キッズデザイン協議会」が実施運営する賞です。様々な部門があるんですけど、今回『つながるカード』が受賞したのは、「子ども視点の安全・安心デザイン」という部門です。
具体的にどんな賞かと言うと、
キッズデザイン賞は、「子どもたちの安全・安心に貢献するデザイン」「創造性と未来を拓くデザイン」そして「子どもたちを産み育てやすいデザイン」というキッズデザインの理念を実現し、普及するための顕彰制度です。
乳幼児用品や玩具などの子ども向けの製品・サービスに限らず、大人向けのものでありながら、子ども目線を持った、良質な商品や施設、プログラム、調査研究活動などを対象として幅広く募集するもので、受賞作品には「キッズデザインマーク」の使用が認められます。(キッズデザイン賞「概要」より)
ちょっと難しいですかね。。それより、キッズデザイン協議会が考える「キッズデザイン」について書かれた箇所の方が、この賞の主旨がよくわかるかと思いますので引用します。
「デザイン」というと、モノの色や形といった、外見的なものを思う浮かべがちですが、キッズデザインには、使いやすさ、安全性なども含まれています。対象となるものも、子ども用の製品やサービスだけではなく、大人向けのものも含まれています。
子どもたちを取りまく環境の中にある全てのものが、子ども目線で考えられて、子ども基準で作られている、そんなキッズデザインに満ちあふれた社会の実現を目指して、さまざまな人たちと協力し合ってすすめていきたいと考えています。(キッズデザイン協議会「キッズデザインとは?」より)
まさに、P_TREEがテーマとしている「こども」「デザイン」のことを、本気で考えて作られたモノや活動に送られる賞なんですね。
回を重ねるごとに規模も大きくなってきていて、第9回目となる今回は、最優秀賞は「内閣総理大臣賞」としての受賞となり、その他の優秀賞にも「経済産業大臣賞」や「少子化対策大臣賞」「消費者担当大臣賞」といった、内閣府の認証する賞として表彰されています。
ちなみに、今回最優秀賞に選ばれたのは大塚製薬さんの「ルナドリームカプセルプロジェクト」。
世界中の子どもたちの「夢」を詰め込んだポカリスエット型のタイムカプセルを、民間のロケットに搭載して月へ届けるプロジェクトです。
という、なんとも壮大なプロジェクトです。。その他の優秀賞には、フレーベル館、日本交通、ヤマハ発動機、三菱電機、といった有名企業の名前が並んでいました。ひえー。まあ『つながるカードABC』は「優秀賞」に選ばれたわけではありませんが、これら錚々たる企業の応募作品のなかで受賞できたというのは、ほんとうに嬉しいです。
やっぱり、このような賞をいただくというのは、これまでやってきたこと、つくったものが認められたということなので、何だかとっても報われた気持ちになります。(ほんと、幾多の困難があっただけに。。)
せっかくなのでこれまでのことをちょっと振り返ってみましょう。
アイデアをカタチにする一番最初の頃。大きさやカタチなど自らの「手」を使って何度も何度も試行錯誤を繰り返しました。久々にペーパーセメントなんかを使ってみたりして、デザイン学生時代を思い出します。
そうして出来上がった手作りのモックアップを元に、いくつかの印刷会社とやりとりをはじめます。いろんなことを考慮して、最終的にお願いすることになったのは新潟にある印刷会社さん。距離的なことがちょっと心配でしたが、とてもスムーズに進行できました。
何度も細かい色の修正につきあっていただき感謝です。。
カードが完成したら、ある方から「特許はとっておいた方が良いよ」というアドバイスをいただき、意匠の出願なんかをしてみました。ぜんぶ自分でやってみたけど、意外とできちゃうものですね。
カードが完成してからも、一番の懸案事項だった「発音」のこと。やっぱり文字だけじゃなくて、音声で英語の発音を聞けるページが欲しい!ということで、姪(ネイティブスピーカーです)が日本に来たときにお願いして録音しました。他にも日本語の発音(あっぽう、とか、じらあふ、とか書いてある部分ですね)を校正してもらったりと、本当にお世話になりました。ありがとー!
こうしてみると、いろんな方のサポートがあってこそ、いただけた賞なんだなあとしみじみ。。本当にありがたいことです。あらためて感謝します。
さて、今回受賞した『つながるカードABC』を含む他のキッズデザイン受賞作品は、「キッズデザイン巡回展2015」として全国を巡回する予定です。詳しいスケジュール等が分かり次第P_TREEでもお知らせしますので、興味のある方はぜひご覧になっていただければと思います。
[Link] キッズデザイン協議会 / 第9回キッズデザイン賞