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レポート| ptree

【レポート】こどもと一緒に創造活動をたのしもう!横浜美術館『親子のフリーゾーン』

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こどもと一緒にお絵描きや工作といった「創作活動」してますか?家でやろうとは思うけど、汚されても大変だし片付けも面倒くさかったり。それにテレビやおもちゃなどの誘惑も多いし…、なかなかむずかしいですよね。今日は、そんな親子におすすめな創造活動の場、横浜美術館『親子のフリーゾーン』をご紹介します。想像していたものよりずっとパワフルで、熱気あふれる創作の現場でした!

横浜美術館で日曜日()に開催されている『親子のフリーゾーン』というプログラムに遊びに行ってきました。粘土や絵の具、紙といった素材を使って、描いたり作ったりすることを楽しみながら、親子でダイナミックに遊べる造形プログラムです。

※毎週ではないです。月に3回程度ですのでお間違いなく。詳しいスケジュールはこちらからご確認ください。

これは横浜美術館『子どものアトリエ』のプログラムの一環として行われているものです。『子どものアトリエ』とは、小学校6年生(12歳)までのこどもたちを対象に、描く・つくる『造形プログラム』、みる『鑑賞プログラム』という2つのプログラムで、様々なアート体験をこどもたちに提供している創作の場です。

例えば、描く・つくる『造形プログラム』では、「じぶんでするからたのしい」をテーマに、様々な創作中心のアート講座を開催しています。わくわく日曜造形講座という名称で開催されるこのアート講座ではこどもの成長に配慮し、対象を年長、小学校低学年、小学校高学年にわけて参加者を募集。『多色版画に挑戦!』『ペーパーアート』『花器をつくろう』『紙工作に挑戦』など、複数回にわたって開催しています。

観る『鑑賞プログラム』のテーマは「じぶんでみるからたのしい」。主体的に作品と向き合うためのきっかけづくりとして、自分でみて考える、という自主性を育てることを目的としたプログラムです。『夏休み子どもフェスタ』『美術ってなんじゃもんじゃ?』『親子で中島清之展をみよう』など、作品に関連した画材に触れてみたり、作品をみて自分で思ったことを親子で話してみたりすることで、より深く「美術をたのしむ」ことを誘いかけています。

「美術館というと敷居が高いと思われがちですが、こういったプログラムを通して、美術館デビューのきっかけにしてもらえたら、という思いがあります。そのため、横浜美術館は小学生以下の観覧は無料なんです」

この日、案内していただいた広報の宮野さんがおっしゃるように、「こどもと美術」というテーマに積極的に取り組んでいる美術館です。

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前置きが長くなりました。『親子のフリーゾーン』です。

開場は10時ということですが、9時半の時点ですでに入場整理券を求める行列ができていました。入場制限は600人(雨天時は500人)なのでそんなに並ばなくても。。と思いましたが、9時45分に配布された整理券は即終了。あっというまに定員に達していました。その人気のすごさにビックリです。。

「横浜市内からだけでなく、県外から来られている方も多いんですよ。リピーターの方も多くて、なかには自分が親になって子どもを連れてくるといった、二世代でファンという方もいらっしゃいます」と宮野さん。

10時スタートの『親子のフリーゾーン』の終了時間は11時30分。ということは遊べるのは1時間30分だけ?少し短いのでは。。と思いましたが、

「幼児向けのプログラムなので、こどもたちの集中力を考えてこの時間にしています。あくまでもこどものペースを一番に考えると、このくらいの時間がベストなんです」

そうおっしゃるのは、この日お話を伺った子どものアトリエの岡崎さん。実際に親子で遊んでいる様子を見学しましたが、たしかにこれだけ真剣に、そしてダイナミックに遊べば1時間半という時間はちょうどいいのかも、と思いました。

さて、10時になりました。開場です。

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開場後、室内はすぐに満員に。すごい熱気です!
それでは実際の会場内の様子を、写真でご紹介していきましょう。

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こちらは中庭にある「えのぐ」のスペース。ここも開場と同時に親子でいっぱいになっていました。

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使いたい色を言って絵の具をもらいます。

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あとはとにかく描いて描いて、描きまくります。

晴れていると屋外の中庭がえのぐのコーナーになるので、中庭のガラスやボードなど、あちこちがこどもたちのキャンバスになります(雨天時は屋内)。広々としたスペースで、こどもたちの「思わず描いてみたくなる」気持ちがかきたてられます。ここに描きなさい、ではありません。こどもたちの主体性を何よりも大切にしています。

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とはいえ、「スペース内なら、どこに描いてもOK」というルールなので、こんな風に床に落書きをしたり…

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柱を塗り始めちゃったり…

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こんなところにまで!とにかくすべての場所が「芸術的」になっていきます。

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こちらは親子でこんなところに落書き中。きれいにトリコロールカラーに塗られていました。

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塗る対象物がついに自分自身に!

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手も足もカラフルになっていきます。手を塗ったら次は…

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手形をつけますよねー。ガラスにだってとにかく描いて、描いて、描きまくります。

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数カ所に設置されている「洗い場」で手足を洗ったら、今度は室内での遊びです。まずは粘土遊び。

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粘土は1トン(!)もの量を準備。ボランティアスタッフの方が「思わず触ってみたくなる柔らかさ」を大切に練り返しています。

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「最近のこどもたちは『手を動かす体験が少ない』ということを危惧しています。そういった意味でも、粘土をさわったり、ハサミを使ったりできるこういう場はきちんと守っていきたいと思っています」と、岡崎さん。

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こども(の安全)を見守るのは親、というのが『親子のフリーゾーン』のルール。そのため、お父さんやお母さんの行動が、たくさんの人が安全にたのしく遊ぶにはどうすればいいのか、というお手本となります。スタッフの方はとくに口をはさみません。あそび場の環境を整える、というのがスタッフの方のおもな仕事です。

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そしてこちらが紙のコーナー。道具も材料もたっぷりなので、創作意欲が湧いてきますねー。

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お父さんの方が真剣になっちゃうケースも多いんだそう。わかります!

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材料は凝ったものではなく、チラシやお菓子の空き箱など簡単に手に入るものがほとんど。「こんなのが作れるよ」という見本が飾ってあるけど、何をつくるかはもちろん自由。

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さりげなく飾ってあった奈良美智さんのコメント入りの直筆イラスト。ひえー。個人的に興奮しました。

ーー

いかがだったでしょうか。これだけ思いっきり、広いスペースでたっぷり描いてもOKな場所があったり、見たこともないくらいの量の粘土があったり、いろんな種類の紙や工作道具が用意されている場所って、そうそうないと思います。

600人もの参加者がいる会場で、傍から見ているとかなりカオスな状態になるのでは?と思っていましたが、とくに混乱もなく、みんな真剣に、それでいてダイナミックに黙々と遊んでいたのがとても印象的でした。

これは『親子のフリーゾーン』の理念でもある「こどもの主体性」を大切にしながら、この場にいる一人ひとりがちゃんとルールを守ろうと考えて遊んでいるからなんですね。市民に長く愛され、人気のあるプログラムというだけあって、参加者の意識の高さが印象的でした。

親子で思いっきり創作活動をたのしみに、横浜美術館の『親子のフリーゾーン』に遊びに行ってみてはいかがでしょうか。いままでのとはまったく違うクリエイティブな場が待ってますよ!

…そうそう、思いっきり遊ぶために、くれぐれも「動きやすくて、汚れても良い服装」で遊びに行ってくださいね。汚れなんかを気にしてたらもったいないですから!

横浜美術館 子どものアトリエ『親子のフリーゾーン』
■対象:小学生以下のお子さんとその保護者
■受付時間:9:45から子どものアトリエ入り口で「入場整理券」を配布
■開催日:日曜日(月3回程度)10:00~11:30
※毎日曜日ではありません。詳細は横浜美術館ウェブサイトでご確認ください。
■参加費:小学生以下は無料/保護者および中学生以上は100円
■定員:600人(雨天時は500人。季節によって若干変更あり)
■所在地:横浜市西区みなとみらい3-4-1(電話:045-221-0300)

[Link] 横浜美術館子どものアトリエ

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森 行正もり ゆきまさ

デザイナー
P_TREE代表

1970年生まれ。神奈川県出身。97年から06年までオーストラリア、ケアンズで日本語情報誌のアートディレクターとして活動。帰国後はグラフィックやウェブデザインの他、遊具などのプロダクトデザインも手がけるなど、こどもまわりのデザインを得意とする。2013年2月、こどものあそび場をたのしくするメディアP_TREE(ピーツリー)を立ち上げた。執筆記事はこちら
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