連載
ママのため息| マーフィー恵子

【第16回】お風呂について

常夏と言われるケアンズだけど、この数カ月寒い!(16℃でもトロピックな気候に慣れてしまった体にはこたえるのだ)暑い日はプールに入れたりシャワーをするとコドモは喜び、髪なんか多少濡れたままでもいつのまにか乾いたりして、とても楽だった。

こうして寒い日が続くと、お風呂の大変さ?がわかる。腕白盛りのコドモをこちらのお風呂に入れるのは、なかなか苦労のあるものなのだ(大体バスタブのない家庭も多いのでは?抱いたままシャワーで体を洗ってあげるのって大変ですよね…みんなどうしてるのかな)。

普通こちらのお風呂場は、日本と違って洗う場所とお湯につかる場所が分かれていない。洗ってゆすいでから湯船につかるという習慣が身についている日本人には、慣れるまで少々時間がかかる。洗面所で体を洗って、床をびしょびしょにしてしまったホームステイの学生の失敗談も聞いたことがある。

オージーが赤ちゃんをお風呂に入れる時、泡だらけのベビーバスの中で体を洗って、ゆすがずにタオルにくるんで拭いてしまうのにも最初は驚いた。アメリカ映画で泡だらけのバスタブにつかってそのままタオルで拭いてるシーンが見られるけど、あれの泡を少なくした感じ。バスソルトで真似をしたことがあるが、生粋の日本人である私は体中かゆくなってしまった…。慣れなのか?

だから寒い最近、コドモをお風呂に入れる時は、バスタブにお湯を入れて体を洗ってから溜めたお湯を流して再びシャワーでゆすぐという、オージー&日本式をミックスした方法を編み出し?実行している(ダンナが)。その方法に慣れない頃は、気持ちがいいのか毎回のようにバスタブでおしっこをしてくれ、お湯を入れ替え。はぁ。

また、日本のお風呂場のようにドアを閉めて室内を温めるのも難しい。バスタブ・シャワーはトイレや洗面所と同室で広いからだ。ドアを閉めても何となく寒々。コドモの湯冷めが気になる私だが、オージーであるダンナには湯冷めするという感覚が全くないのだった。風邪はヴィールスによってかかるものと思っているとのこと。全く習慣というのはささいなことまで違うものだ。肩を冷やさないように~と言う言葉をハテナ顔で聞いていた。

コドモがおとなしく体を拭いて着替えをさせてくれることもまずない。段取りをうまくしないと、ぴゅーっと走っていってしまう。つくづく一仕事なのである。髪をドライヤーで乾かすのを諦めたのは言うまでもない。極めつけは、うちのお風呂場にグリーンフロッグ(緑色のカエル)が住んでいて毎回大騒ぎ。カエルも迷惑していることだろう。ああ、夏はシャワーでさーっと洗えて楽だったなぁ。

寒い日本の冬でお風呂に入れているママ・パパたちに頭が下がります。

(リビング・イン・ケアンズ誌2000年7月号に掲載)

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マーフィー恵子

マーフィー 恵子Keiko Murphy

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オーナー

93年よりオーストラリア、ケアンズに在住。「ハートに響く異文化体験のトビラ」をモットーに、地元企業と日本人マーケットをつなげるPRやイベントを手がける会社 JC Creations を経営。1995年フリーペーパー「リビングインケアンズ」を創刊。2011年に出版事業は売却。2012年4月に地元の良いモノ・素敵なライフスタイルを紹介するセレクトショップ「パウチ」をオープン。著書に「家族でケアンズ最強ガイド」(講談社)がある。執筆記事はこちら
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