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特集(トピックス)
制作ノート| ptree

【P_TREEのこと】そもそものおはなし 5「いいモノの基準」

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世の中にはたくさんのモノや情報があふれている。でもそれは「安さ」だったり、「売れているもの」だったり、なんというか「消費」のための情報がほとんどだ。新しくつくるメディアでモノを紹介する場合、なるべくなら「消費」とは別の部分を大切にした「いいモノ」を紹介していきたいと思っている。

例えば、寸分違わぬ形に大量生産されたモノよりも、手作りだからこそのズレや違いのあるモノに感じる作り手の存在のようなものを大切にしたい、というようなことだ。とはいえ、売れているものはやっぱりいいモノなのだろうし、いいから売れているのだ。ぼくだってそういうモノを喜んで買っているクチだ。そこを否定してしまうのはどうなのか?

この「いいモノ」については結構考えた。100人いれば100通りの「いい」基準みたいなものがある。みんながいいと思えるものを紹介するのは不可能だし、仮にみんなの「いい」の最大公約数的な部分を抜き出したモノを紹介すれば、それはすなわち消費を意識したモノになってしまう。…うーん。

そんなことをあれこれ考えていたが、自前のメディアを持つということは(誤解を恐れずに言えば)誰のご機嫌も伺わずに、自分のやりたいことをやるということだ。であれば基準は「自分」にしようと決めた。

「d design travel」という、デザイン的観点から47都道府県を紹介していくというコンセプトの観光ガイドがある(ナガオカケンメイ氏のロングライフをテーマにしたプロジェクトの一環だ)。旅をデザイン的観点から見直すというコンセプトは、デザイナーであるナガオカ氏がその土地で見たもの、感じたことを編集して読者に提供するということだ。

デザインという言葉には、何も姿形だけではなく人が本当に「いい」と感じる様々な要素が含まれている。だからこの「デザイン目線でモノ(この場合は場所や人だが)を見る」という考え方はとても本質をついてるなあと感じた。

残念ながら僕にはナガオカ氏のような本物を見る目はないけど、感覚的に「いい」と感じるものについて、何で「いい」と感じるのか、それをデザイン的観点から言葉にすることならできそうだ。その言葉を「フィルター」にして「いいモノ」を紹介していけばいい。

この「フィルター」さえ通っていれば、たとえ「消費」のためのモノであっても自信をもって紹介できる。さらに「フィルター」をシェアすることで、僕以外のいろんな人が「いい」と思うモノを紹介できる場にしていけるではないか。

そもそもデザイナーである自分が基準なのだから、「デザイン」という言葉があるととてもしっくりくる。あとはいいデザインの基準となるべき言葉(=フィルター機能)を見つけていけば良いのだ。

(つづきます)

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森 行正もり ゆきまさ

デザイナー
P_TREE代表

1970年生まれ。神奈川県出身。97年から06年までオーストラリア、ケアンズで日本語情報誌のアートディレクターとして活動。帰国後はグラフィックやウェブデザインの他、遊具などのプロダクトデザインも手がけるなど、こどもまわりのデザインを得意とする。2013年2月、こどものあそび場をたのしくするメディアP_TREE(ピーツリー)を立ち上げた。執筆記事はこちら
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