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あそびから学ぶ運動生活| IkegamiTakeshi

【第2回】おにごっこから学ぶ体力づくり

昔から人気のあそびのひとつ「おにごっこ」。おにごっこというあそびで大切なポイントは、自由な発想と適度なルールです。最初に危なくないようにエリア(範囲)を決めて、やってはいけないことを友達同士で考えて話し合う。そういったことも、おにごっこというあそびのなかで大事なポイントです。

そしておにごっこの一番の特徴は楽しみながらはしるということ。
・ 好きな子を追いかける
・ 声を出しながらはしる
・ 速く走る子を追いかける、などなど。

状況によって感情が変化します。あそび終わったときの様々な感想や感情として「○○だった~」なんていう一言が成長するきっかけになるのです。これは心の体力づくりですね。

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走るときは、両腕を大きく振っているので、部分的にですが、肩や足腰の可動域が少しずつ広がります。

両腕を振ると早く走れる
そんなフレーズを聞いたことがある方も多いと思います。筋肉はバネのように柔らかいのです。とくに子供の体はこれから大きく成長するので、両腕を、交互に前後に大きく振りながら走る事で反動作用(※1)が働くようになります。

 
大股で歩く、または前後に大きく足を開いて歩く

このような歩き方を意識させることによって両腕と足腰の周りの筋肉が、お互いにに引っ張られるようになります。両腕は車で言うエンジンにの役割を果たすので、両腕の動き(前後)がタイミングよく作用するようになると、速く走る事に繋がります。

次に、体力がついたかどうかの見分け方ですが、ポイントは前回掲載した呼吸です。例えば、1分間走りまわって、肩から呼吸をしていたこどもが、5分程度走り回っても息が上がらなくなった(肩から呼吸をしなくなった)という状態になったら、体力がついたと考えてOKです。運動後の呼吸数を見ていると分かりやすいと思います。

最後におにごっこをする事での効果をまとめると…

○逃げている側
・鬼がタッチするときの「距離感
・タッチされる瞬時によける「瞬発力
・ 鬼の動きを予想しながら逃げる「想像力

○ おに側
・ 先回りする「想像力
・ タッチする時の「瞬発力

おにごっこをするには考えて動くという事が求められます。あそびは一つひとつの動きの積み重ねです。子供の頃のあそんだ経験が、将来の生活において役立つ事につながります。上記の効果に加え、発想力、実行力、決断力、行動力、こんなことが、おにごっこというあそびを通じて養われるのです。

本コラムでは、かならず・ぜったいではなく、ワンポイントを意識しながら、日常生活においてそうなのかもしれない!考え方の選択肢を増やす場を読者の方と一緒に進めたいと考えております。

次回は「公園でのあそび~砂場編~から学ぶ」をお送りします。
 

※1:体には、ゴムのように全身伸縮する機能が備わっています。両腕を大きく振ると体の筋肉が振り子のようになり、走り出すと「歩幅+α」の長さになります。
例えば、Aさんが歩いている時の歩幅が90cmだとします。両腕を大きく振って走り出すと歩幅が100cmになります。そうすると両腕を振って走った事により反動作用として+10cm長くなったと言えます。

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IkegamiTakeshi

Ikegami Takeshiいけがみ たけし

東京YMCA社会体育専門学校(現:東京YMCA社会体育・保育専門学校)を卒業後、ビル管理・商社勤務を経て、現在は就労まつわる仕事に従事。専門学校や病院で、就労する為のポイントや個別に生活リズムのアドバイス、その他、講演、コンサルティングetc 幅広く活動中。執筆記事はこちら
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